STORY
人生のワンシーンを彩る、
素晴らしい酒造りを目指して
酒造りを志したからには、ひとの人生の重要な場面を彩るお手伝いができるような素晴らしい酒をつくりたい。その思いを胸に、今回の酒造りが始まった。
目標は、250年以上の歴史がある翁酒造の幹となるような酒をつくること。
現状は造酒屋でありながら、価格を優先した酒造りが中心だ。
このご時世、限られた家計の中で、嗜好品である酒にお金を割いていただけるというだけで大変ありがたい。だから価格勝負の酒には、需要も存在価値もあるのだ。それで世間の役に立てているという自負もある。しかし、設備的にも人員的にも小規模の翁酒造が安売り合戦に巻き込まれてしまうと、軍配は大手の酒造に上がる。
私どものような小さい酒造は、酒造りの最高責任者である杜氏が仕込みから搾りまで一貫して管理できるため、本来は高品質な酒造りに向いている。しかし自分がしっかり納得できるまでこだわった酒をつくろうとすると、それなりの原価になってしまうし、流通に至るまでの見通しを立てるのも簡単ではない。
実は以前にも一度チャレンジしようとしたが、卸問屋に取り合ってもらえずに断念したことがあった。
だからこそ、今回の酒造りにかける情熱は特別なものだ。
時間と手間とコスト、自らの手と頭と勘、そして現代ならではの流通管理のすべてを駆使して、最高級と誇れる味。大量生産はできないが、呑む人の舌を唸らせる味わいを実現できたと自負している。
人生の重要なワンシーンに彩りを添えるにふさわしい、理想の酒の実現。
翁酒造が長年抱き続けて来た夢が、遂に叶う瞬間が来た。